2008年06月22日

蹴りたい背中




今更ですが...
綿矢りささんの『蹴りたい背中』

文庫版が出ていたので買いました。
お値段も安いし。

内容説明です。
長谷川初実(ハツ)は、陸上部に所属する高校1年生。気の合う者同士でグループを作りお互いに馴染もうとするクラスメートたちに、初実は溶け込むことができないでいた。そんな彼女が、同じくクラスの余り者である、にな川と出会う。彼は、自分が読んでいるファッション雑誌のモデルに、初実が会ったことがあるという話に強い関心を寄せる。にな川の自宅で、初実は中学校時代に奇妙な出会いをした女性がオリチャンという人気モデルであることを知る。にな川はオリチャンにまつわる情報を収集する熱狂的なオリチャンファンであった...



史上最年少で芥川賞受賞ってことで話題になっていた当時。
私もまだ学生だった頃。
そのとき読んだ感想は、純粋に面白いだったはず...
お話にとても共感でき、インストールも読んでしまった。

グループとか友情とか、確かに面倒くさくなる年頃だった。
休み時間やクラスの授業でイチイチ友達同士で固まって、孤独になってしまったときのなんともいえない気持ちが良く書かれていた。

が。

社会人になった今、改めて読み返してみると...
イマイチ?
間接的な描写がイッパイあるのですが、『表現力が豊かなんですね』っていうちょっと皮肉っぽい感想になってしまう...
別にそんなにイチイチ何かに例えなくってもっていう位。

時間のある学生時代に読むと主人公と自分を重ねることができて面白いのかもしれないけど。
大人になってから読むと、それがつまらなく感じてしまう不思議。

共感はできる、その気持ちすごっくわかる、そういうことあるある。
だけど、それで?だから?

そういう風に思わせることが文学なのかもしれないけど...
学生時代に読めば面白いお話だと思います。


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2008年05月06日

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ




また、本谷有希子さんの本です。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

もともとは劇団本谷有希子で上演するお芝居用に書かれた脚本の小説版です。
だから、表現とか小説としてみるとちょっとどうなのかな...的な部分もあるのですが。

サトエリ主演で映画化もされたらしいです。
主題歌チャットモンチーで、そこはグッジョブ

内容は、まぁ本谷さんが書いている本だなって感じです。
ザ・残酷物語。

自分は特別な存在だと思い込んでいる中2病の性格悪い姉と、まぁ性格に難ありな家族たちの物語です。
昼ドラとはちょっと違うけどドロドロした感じのお話。

本谷さんの作品には性格の悪い人が良く出てくるのですが、性格良い奴はウソっぽい、悪い奴の方が共感できるみたいなことをNHKのトップランナーで語っていたような記憶がありますが...
まぁ、その通りな感じです。
見事に性格悪い人たちばっかり。

しかも最後まで読んでも、救われないし。

読んでいて、笑えるって言う意味での楽しさがあんまりないので、本谷さんの作品のなかではあまり好きな方ではないのですが...

文庫版ならワンコインで買えるので。
値段と内容を天秤にかけたらまぁ良いカナと。
読んでてくらい気持ち、鬱になれる本です。


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2008年03月31日

イリヤの空、UFOの夏




秋山瑞人さんの
イリヤの空、UFOの夏

読んだ感想はザ・ライトノベルって感じの本でした。
イロイロなライトノベルを読んできたけどこの本は群を抜いてよかったです。

いわゆる、世界系の小説で主人公の浅羽は日常生活を送りながらいつの間にか世界規模の事件に巻き込まれていく。
普段はギャグテイストのラブコメなのに端々でシリアスで怖い場面もある。
軍や宇宙人の侵略、戦争など物語の中では直接は描かれていないのに見えない敵がすぐそこまで来ていて、でもそのことに気付かない人々。
そして、自分たちの日常を守るため人知れず犠牲になって戦っている人がいる。
この物語は本編に描かれていない、見えない部分にこそ魅力がある。

まさに、ライトノベルのメイン読者であろう中高生にとってはドストライクなお話しだと思います。

内容(「BOOKデータベースより)
「6月24日は全世界的にUFOの日」新聞部部長・水前寺邦博の発言から浅羽直之の「UFOの夏」は始まった。
当然のように夏休みはUFOが出るという裏山での張り込みに消費され、その最後の夜、浅羽はせめてもの想い出に学校のプールに忍び込んだ。
驚いたことにプールには先客がいて、手首に金属の球体を埋め込んだその少女は「伊里野可奈」と名乗った…。
おかしくて切なくて、どこか懐かしい…。ちょっと“変”な現代を舞台に、鬼才・秋山瑞人が描くボーイ・ミーツ・ガールストーリー、登場。


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2008年03月10日

銀のアンカー





ドラゴン桜の筆者、三田紀房さんの
銀のアンカー

受験の次は就職活動
自分のやりたいことがハッキリ決まっていて、小さいときから夢に向かって頑張っていた人たちは港にしっかりした金のアンカーを下ろせる。
しかし、特に夢もなく時期が来てから就職活動を始めた学生は金よりも劣る銀のアンカーしか下ろせない。
その銀のアンカーを持つ学生たちの就職活動に関する内定請負漫画です。

去年、就職活動をしていてもうすぐ社会人になる僕としては、後1年早く出会っていたかった1冊です。
もし、就活中に出会っていればもう少し良い就職活動ができたかも。
そして、どうせなら就職氷河期と言われていた時代に出ていれば不幸になる人が減っていたのではないかと。

まぁ、就活を終えてから読んでも役立つ情報は結構あります。

就職本とは違った切り口、方法で就職活動を説いています。
就活中に、就職指導課の人やマニュアル本など読んでいてあぁしなければ、こうしなければと思い込んで固まった頭を解してくれるかも。

名前を良く聞く会社だけ受けるランキング依存症だとか、仕事は給料だけで選べとか転職してキャリアアップなんてない好きなことを仕事にしたって成功しない...とか。
痛いところをグイグイ突いてきて、でも納得させられてしまう所が多い。

就活本・面接本の漫画版って感じですが、より実践的です。
なんだか理論ばかりをくどくど説いているマニュアル本よりは漫画というカタチでグサグサ心に訴えてくる所が良いです。

単行本は現在までに4巻まで出ていて、主にマスコミ・特にアナウンサー(女子アナ)の採用についてと、志望業界・職種がハッキリせず自己分析も何にもできないウダウダしている学生の話でした。
これから、また新しい業界(広告?)の就職活動について出てきそうなので就活中の大学3年生に特におススメです。


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2008年02月24日

生きさせろ!難民化する若者たち





雨宮処凛さんの
生きさせろ


最近話題のネットカフェ難民やワーキングプアのお話です。
バイトでそういう人と関わる機会も多く、社会問題だし興味もあったので呼んでみました。

数ある本の中からこの本を選んだ理由は雨宮さんという方を最近朝日新聞でよく見かけるからです。
ヴィジュアル系バンドの追っかけから右翼活動をするようになって、それから労働問題に興味を持ってこういう本を書かれたようです。

中身は...
フリーター、パート、派遣、請負、安定化する若者たちの労働現場。
そのナマの姿を、自身も長年フリーターとしてサヴァイブしてきた著者が取材した渾身のルポルタージュ。
この国の生きづらさの根源を働くことから解き明かす宣戦布告の書!!
らしいのですが...

関心があったから読んだのに、全く共感できなかったです。
ってことは、おススメじゃないですね...
こういう問題があるんですよっていう、導入として読むんなら...?

個人的な感想として国のせい国のせい、貧困に直面している若者を救えっていう、意見はまぁわかるのですが。

例として出ている人たちに全く同情できません。
えっ、それは国のせいじゃなくて自分のせいじゃない?ってフリーターさんたちに贔屓目に書かれているにも拘らず思ってしまう。

最初に出てきた賢いサルにでもできる仕事をしているって人。
掻い摘んで説明するとこんな感じです。
地元で就職が決まっていたけど単位を1つ落として卒業できない。
内定取り消し、一年留年し、その学費の為に借金借金返済のためにギャンブル、ギャンブルで負けて借金が増える。
で、卒業して、留年したのは自分には東京に出る運命があったのだと、東京へ。
借金がある、刺青がある、就職できない。
サルでもできる仕事をしている。

どこに同情すればいいのか...
国のせいでも何でもないと思うのですが。
そんな人がいっぱい出てきて不平不満を言っている本です。


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2008年02月07日

わたくし率イン歯ー、または世界





祝!!芥川賞受賞。
今回紹介する本は川上 未映子さんの...

わたくし率イン歯ー、または世界

『乳と卵』ではないのですが...
あっちはなんだか、女性向けって感じがしてとっつきにくかったので、こっち。

やっぱり芥川賞とか獲る人はすごいですね。
タイトルからして意味不明だし。
全くどういう内容のお話なのか想像できない。
文学的なことはわからないけど、最初の一文からよくわからない言葉の羅列で。
でも、面白い。

内容は
自分の奥歯に自我があるって思っているちょっと危ない感じのお姉さんのお話です。
脳みそではなく奥歯で考えて、奥歯にだってドーナッツの穴のようなアイデンティティがどうのこうの、って哲学チックなストーリーを展開していく感じです。

何がすごいってやっぱり文章です。
意味不明だけど面白い。
意味はわからないんだけど表面ではなく内側に言葉がドーンと入ってくるような...内部破壊の文章です。

世界の中心で愛を叫ぶ」とか「いま、会いにゆきます」みたいな売れている本はストーリは感動できるかもしれないけど文章自体は稚拙(?)な感じで...(だから一般大衆が感動できるのかもしれないけど)
アレなら自分でもかけるんじゃないって思っちゃうんだけど。

それと比べるとやっぱり芥川賞を獲る作家さんの文章は違うなと。
最初の数行で、コレは敵わん、こんな文章はかけないと思ってしまった。
読者に嫉妬させるほど巧い言葉の羅列です。

なんか、この本について語っている識者の方々は難しいだの哲学がどうのだのそれを大阪弁で語ることによってナンチャラ言っていますが...
一素人、意見として別にそんな難しく考えないで普通に読んでも十分に楽しい本だと思いました。


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2008年01月19日

ロッキン・ホース・バレリーナ




18歳で夏でバカ!!
筋肉少女帯の大槻ケンヂさんの『ロッキン・ホース・バレリーナ

モテたいから始めたパンクバンドの初ツアー。
そこで、ヴィジュアル系バンドに憧れるゴスロリ少女を拾って...
ナンタラカンタラでごちゃごちゃしている物語。

バンドマンが書いているのでバンドの描写が面白いです。
基本的には主人公の耕助とゴスロリ少女の青春物語なのですが...
バンドのマネージャーの中年のおじ様のお話が良い。

音楽で生きていくナンタラが書かれています。
筋肉少女隊もゴタゴタがあったみたいだしやっぱり大変な世界なんだなぁと。

本のタイトルはヒロインのゴスロリ少女の格好から。
ポックリ下駄ことヴィヴィアンウエストウッドのロッキンホースから。

Vivienneでバンドって言うとNANAのBLACK STONES なイメージがあるのですが...
お話は全然違います。
なんて言ったって18歳で夏でバカなバンド小僧のお話ですから。
登場人物に心の傷はありますが、ブラストのメンバーとは傷の質が違います。
要するに明るくて馬鹿なお話です。

難点は話が長い、本が大きい、ソフトカバーだから読みにくい。
文庫版のほうがいいかもしれません。


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2008年01月07日

ハチミツとクローバー





切ないよ...
男が読んでも、なかなか良いと思う。

羽海野 チカ『ハチミツとクローバー

タイトルは作者が近くにあったCDの名前からとったから特に意味は無いそうです。
これまたノイタミナでアニメ化、映画化、そして今度はドラマ化と大ヒットコミック。
でも、それも納得、面白い。

まぁ、連載途中で掲載雑誌が変わったり...
ラストがなかなかに衝撃的で、何その終わり方、エバンゲリオン?だったりもしますが...

6畳+台所3畳フロなしというアパートで貧乏ながら結構楽しい生活を送る美大生、森田、真山、竹本の3人。そんな彼らが、花本はぐみと出会い……

アニメは歌も良くて、YUKI、スネオヘアー、、スピッツスガシカオ...
ただ、先にアニメを見ていたせいで主役はてっきりメガネ男子・真山と鉄人山田かと思っていました。

誰が主役というわけではなく、全員が主人公みたいに書かれていると思います。
登場人物全員、誰かが誰かに片思い。

1巻はどうしても説明っぽくなってしまうけど、その後はどうして、どうして、こんなにも切ない。

恋愛モノだけどNANAみたいにドロドロしていなくて好きです。
優しい雰囲気が良い。

ただ、少女マンガ独特のあの絵のタッチだけはなんとも...
美大に行きたいと...ちょっと思った。
実写版はどうなるのか期待。


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2007年12月30日

塩の街




有川浩さんの『塩の街』です。
電撃文庫のライトノベルとして出版されハードカバーに出世した稀有な作品です。

この方、他には「図書館戦争」や「海の底」、「空の中」なども書かれています。
図書館戦争はノイタミナで来年アニメ化らしいです。
しかも、少女コミックで連載されているんですよ?図書館戦争が?

なぜ?じゃぁ、塩の街の方が良いと思うんだけど...

で、肝心の塩の街の内容です。
文庫版とハードカバーで若干違いますが。

突然、空からでっかい塩の塊が振ってきて人間がドンドン塩になっていく話です。
社会が麻痺して弱者はドンドン倒れていきます。

物語は前半と後半に分かれています。
前半は塩害により静かに淡々と滅亡に向かっていく人たちそれぞれの物語がオムニバス形式で書かれています。
自分の体が塩になっていき、避けられない死があるのに、どこか美しく悲しく儚く切ない、そんな感じのお話。

後半は軍事モノです。
自衛隊とか戦闘機とかが出てきてドンパチ戦っています。
図書館戦争とか自衛隊3部作などと同じ感じ。
軍隊に興味がないので後半は微妙でした。

ミリタリー要素をもうちょっと少なくしてくれていたら個人的にはもっと良かったと思います。
好きな人は好きなんでしょうが。

全体的にキレイなお話です。
もともとライトノベルなので読みやすいです。
反面、大人の方にはお子様ランチに感じてしまうかもしれません。


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2007年12月24日

さよなら絶望先生





久しぶりの更新。
今日はクリスマスイブですね。
そんなクリスマスにおススメの1冊がコレ。
久米田康治作

さよなら絶望先生

絶望したが決め台詞のなんか何かにかけてネガティブで自殺願望強の絶望先生こと糸色望とイロイロ紙一重な感じの危険な設定の生徒たちのブラックユーモア・ギャグコメディ?な作品。
ストーカー、ひきこもり、DV、猟奇、難民、加害妄想、人格分裂などなど少年誌のキャラ設定としてどうなのって所が非常に楽しい。

ねっ、とってもクリスマス向きなネガティブな作品でしょ?

あと、来年からアニメか第2弾の決定しているらしい。
タイトル:俗・さよなら絶望先生。

オープニングがまた筋肉少女帯大槻ケンヂさんらしいので楽しみ。


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